中級者向け:SUMPRODUCT関数の活用法
Excelを使いこなしてもっと楽をしたい、業務を効率化したい人にぴったりの関数が「SUMPRODUCT」です。この関数を使えば、複雑な条件付き計算も簡単に行えます。例えば、「A列の値が100以上かつB列が”東京”のデータの、C列の合計を求める」といった計算も、以下のように一行で記述できます。
=SUMPRODUCT((A1:A100>=100)*(B1:B100=”東京”)*C1:C100)
この関数を使いこなせば、複雑な条件付き集計も簡単に行えるようになります。
1. SUMPRODUCT関数の基本
SUMPRODUCT関数は、複数の配列を掛け合わせてその結果を合計する関数です。Excel関数の中でも非常に柔軟性が高く、条件付き計算に強力です。
基本的な使い方は以下の通りです:
=SUMPRODUCT(配列1, 配列2, …)
例えば、A列に数量、B列に単価がある場合、以下の式で総額を計算できます:
=SUMPRODUCT(A1:A10, B1:B10)
これは、A1*B1 + A2*B2 + … + A10*B10 を計算していることになります。
2. 条件付き計算への応用
SUMPRODUCT関数の真価は、条件付き計算で発揮されます。条件を配列として組み込むことで、複雑な条件付き集計が可能になります。
例えば、「部署が”営業”で、売上が100万円以上の社員の給与合計」を求める場合:
=SUMPRODUCT((A1:A100=”営業”)*(B1:B100>=1000000)*C1:C100)
ここで、A列は部署、B列は売上、C列は給与とします。(A1:A100=”営業”)と(B1:B100>=1000000)は、条件に合致する場合に1、そうでない場合に0を返す論理式です。これらを掛け合わせることで、両方の条件を満たす行のみが選択されます。
3. SUMPRODUCT関数の活用テクニック
SUMPRODUCT関数をさらに活用するためのテクニックをいくつか紹介します。
1. 複数の条件を組み合わせる:
ANDやORの条件を組み合わせたい場合は、以下のように記述できます。
AND条件:=SUMPRODUCT((条件1)*(条件2)*…*値)
OR条件:=SUMPRODUCT((条件1+条件2+…)*値)
2. テキストの部分一致を使用する:
SEARCH関数を組み合わせることで、テキストの部分一致を条件に使えます。
=SUMPRODUCT(–(ISNUMBER(SEARCH(“キーワード”,A1:A100)))*B1:B100)
3. 重複を除外して計算する:
SUMPRODUCT関数とFREQUENCY関数を組み合わせることで、重複を除外した集計が可能です。
=SUMPRODUCT((A1:A100<>“”)/COUNTIF(A1:A100,A1:A100&””))
これらのテクニックを使いこなすことで、複雑な条件付き計算も効率的に行えるようになります。SUMPRODUCT関数は、複数のExcel関数を組み合わせて使うことで、さらに強力なツールとなります。
条件付き計算の達人になるには、これらのテクニックを実際のデータで試してみることが大切です。最初は複雑に感じるかもしれませんが、使いこなせるようになれば、Excel作業の効率が大幅に向上するでしょう。ぜひ、自分のデータで試してみてください。