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DGET関数で複数条件検索が自由自在に!営業報告書から在庫管理まで実務活用術

# すぐに試せるDGET関数の基本活用法

中級者向けのあなたにまず知ってほしいのが、**DGET関数**の実践的な使い方です。

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=DGET(データベース範囲, 抽出する列番号, 検索条件範囲)
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例えば、商品マスタから特定の商品名の価格を一件だけ抽出したい場合、従来はVLOOKUP関数を組み合わせていたかもしれません。しかしDGET関数を使えば、複数の条件を指定して該当データを一発で取得できます。検索条件を「商品名」と「カテゴリ」の両方で指定すれば、より正確なデータ抽出が可能になるのです。

## 1. DGET関数とDMAX関数の違いを理解する

Excel関数の中でもデータベース関数と呼ばれるグループがあります。DGET関数とDMAX関数は、どちらも指定したデータベースから情報を抽出するという共通点を持っていますが、その役割は大きく異なります。

**DGET関数**は「特定の条件に合致するデータを取得する」ことが目的です。社員データベースから「営業部かつ入社年2020年」という複数条件に該当する社員の給与額を取り出すといった使い方が典型的です。条件に合致するデータが複数ある場合はエラーが返されるため、データの一意性※を確保できるメリットがあります。

一方、**DMAX関数**は「条件に合致するデータの中から最大値を抽出する」ことに特化しています。同じ営業部データから「最も高い売上」を一瞬で見つけられるわけです。DMIN関数と組み合わせれば最小値も取得でき、データ分析の幅が広がります。

※一意性…データが重複なく、ただ一つだけ存在することを指します。

## 2. 実務で活躍する具体的な活用シーン

Excel関数を業務に取り入れるコツは、自社の実務に直結したケースを理解することです。

**営業報告書の自動集計**では、DMAX関数が威力を発揮します。日別の売上データから「〇月〇日の最高売上」を自動抽出し、月間サマリーに反映させることで、毎回の手作業集計が不要になります。

**顧客管理システムの補完**としてDGET関数が活躍します。受注フォームに顧客名を入力すると、顧客マスタから住所や電話番号を自動入力する仕組みが実現できます。複数条件を指定することで、「同じ名前の顧客が複数いる場合も、企業名との組み合わせで正確に抽出する」といった運用が可能です。

**在庫管理での異常検知**にはDMAX関数が効果的です。商品別の日別在庫を記録したデータから「過去30日間の最大在庫」を自動計算し、現在の在庫が異常に少ないかどうかを判定するという応用も考えられます。

## 3. データベース関数を使いこなすための実装ポイント

これらのExcel関数を実際に運用する際、押さえるべき重要なポイントがあります。

**データ構造の統一性**が最初の課題です。DGET関数やDMAX関数が正しく機能するには、データベースの先頭行に必ず見出しを配置し、以下すべてのセルで同一の形式を保つ必要があります。日付表記がバラバラだったり、空白行が混在していたりすると、関数が意図通りに動作しません。

**検索条件の指定方法**も重要です。条件範囲は「見出し+条件値」という2行の構成が基本です。「営業部かつ東京支店」というように複数条件を指定したい場合は、同じ行に並べて書くことで「AND条件」になり、異なる行に書くことで「OR条件」になります。この違いを理解していないと、望まない結果が返されます。

**エラーハンドリング**も実務では欠かせません。DGET関数で条件に合致するデータが0件や複数件の場合、#ERRORが返されます。これを避けるためにIFERROR関数と組み合わせ、「該当なし」という表示に置き換えるとユーザーフレンドリーになります。

これら三つのポイントをマスターすれば、単なる関数の羅列ではなく、実務に根ざした「データベース処理の達人」へと成長できるはずです。Excel関数の活用は、業務効率化への最短ルートなのです。

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