“`html
中級者向け：NPV・IRR関数の実践活用
すぐに試せる実践的な関数活用法
Excel中級者の皆さんが業務を効率化するために、まず実装すべき関数の組み合わせをご紹介します。投資判断に必要な「NPV関数」と「IRR関数」を組み合わせることで、複雑な財務分析が劇的に簡単になります。
例えば、初期投資100万円、その後5年間で毎年30万円の収益が見込める案件の判定を考えてみましょう。以下の式を使用してください：
=NPV(10%, B2:B6) + B1
ここでB1に初期投資額（-1000000）、B2:B6に毎年の収益（300000）を入力します。割引率※1を10%と設定することで、将来の価値を現在の価値に換算した投資判断ができるようになります。また同時に「=IRR(B1:B6)」で内部収益率※2を算出すれば、投資の妥当性を複合的に判定可能です。
ポイント1：NPV関数で投資価値を「見える化」する
NPV関数（正味現在価値）は、将来得られるお金を現在の価値に換算する関数です。Excel関数を使い始めた中級者の方が最初につまずくのは、「なぜ割引率を使うのか」という疑問です。
答えは単純：お金は時間とともに価値が変わるからです。100万円を今もらうのと1年後にもらうのでは異なる価値があります。銀行に預けて利息を得られるため、今もらう方が有利だからです。NPV関数はこの時間軸の違いを自動計算し、複数の投資案件を公平に比較できる環境を整えてくれます。
実務では、複数の設備投資案から最適なものを選ぶ場面で活躍します。NPVが正の値なら投資価値あり、負の値なら避けるべき投資という判定基準が瞬時に得られるのです。
ポイント2：IRR関数で「利回り」を自動計算する
IRR関数（内部収益率）は、投資全体の利回りを自動算出するExcel関数です。中級者の皆さんが現場で最も実用的と感じるのがこの関数です。
例えば、銀行融資の金利が8%の場合、IRRが8%を超える投資案件なら融資を受けて実施する価値があります。NPV関数よりも「率」で判定できるため、経営層への報告資料でも説明しやすいのが特徴です。
ただし注意点があります。IRR関数は複雑な計算式のため、時に複数の解を持つ場合があります。通常は最初に現れる解を採用しますが、不規則なキャッシュフロー※3パターンでは検証が必要です。
ポイント3：両関数を組み合わせた意思決定の仕組み
NPV関数とIRR関数を組み合わせることで、投資判断の精度が飛躍的に向上します。多くの企業では「NPVが正でかつIRRが目標利回りを超える案件のみ承認」というルールを設定しています。
実装方法としては、以下のように判定式を組み込むと効果的です：
=IF(AND(NPV(10%, B2:B6)+B1>0, IRR(B1:B6)>10%), “実施推奨”, “見直し推奨”)
このExcel関数を活用すれば、手作業による判定ミスが激減し、属人性のない客観的な投資判断基準が確立されます。複数案件の一括評価も瞬時に完了するため、経営層への上申スピードが大幅に改善されるでしょう。
中級者の皆さんがこれらの関数を使いこなすことで、単なる計算ツールではなく、経営判断を支援するビジネスパートナーとしてExcelを活かすことができるようになります。
“`
