中級者向け：TRIM関数とCLEAN関数の活用法
Excelを使いこなしてもっと楽をしたい、業務を効率化したい人向けに、すぐに試せる具体的な関数とその活用法をご紹介します。今回は、データクレンジングに欠かせないTRIM関数とCLEAN関数に焦点を当てます。
1. TRIM関数の基本と応用
TRIM関数は、文字列の前後にある余分な空白を削除する Excel 関数です。基本的な使い方は以下の通りです：
=TRIM(テキスト)
例えば、セルA1に「 Excel 」と入力されている場合、=TRIM(A1)と入力すると、前後の空白が削除され「Excel」となります。
しかし、TRIM関数の真価は複数のセルを同時に処理する際に発揮されます。例えば、A列全体のデータをクリーンアップしたい場合、以下のように使用します：
=TRIM(A:A)
これにより、A列全体の前後の空白が一括で削除されます。さらに、TRIM関数は他の関数と組み合わせることで、より高度なデータクレンジングが可能になります。例えば、CONCATENATE関数と組み合わせることで、複数のセルの内容を結合しつつ、余分な空白を削除できます：
=TRIM(CONCATENATE(A1,” “,B1))
この式は、A1とB1の内容を空白で区切って結合し、前後の余分な空白を削除します。
2. CLEAN関数の活用とTRIM関数との連携
CLEAN関数は、テキスト内の印刷不可能な文字を削除する Excel 関数です。基本的な使い方は以下の通りです：
=CLEAN(テキスト)
CLEAN関数は、特にコピー＆ペーストで取り込んだデータや、外部ソースからインポートしたデータを整理する際に非常に有用です。例えば、ウェブページからコピーしたテキストには、しばしば不可視の制御文字が含まれています。これらはCLEAN関数で簡単に除去できます。
CLEAN関数とTRIM関数を組み合わせることで、さらに強力なデータクレンジングが可能になります：
=TRIM(CLEAN(A1))
この式は、まずA1セル内の印刷不可能な文字を削除し、その後で前後の余分な空白を取り除きます。これにより、外部から取り込んだデータを一発でクリーンアップできます。
3. 高度なデータクレンジングテクニック
TRIM関数とCLEAN関数を他の関数と組み合わせることで、より複雑なデータクレンジングが可能になります。例えば、SUBSTITUTE関数と組み合わせることで、特定の文字や文字列を置換しつつ、不要な空白や制御文字を削除できます：
=TRIM(CLEAN(SUBSTITUTE(A1,”old”,”new”)))
この式は、A1セル内の”old”を”new”に置換し、その後で印刷不可能な文字と余分な空白を削除します。
また、IF関数と組み合わせることで、条件付きのデータクレンジングも可能です：
=IF(LEN(TRIM(CLEAN(A1)))>0,TRIM(CLEAN(A1)),””)
この式は、A1セルの内容をクリーンアップした後、結果が空文字でない場合のみその結果を返し、そうでない場合は空白を返します。これにより、実質的に空のセルを完全に空にすることができます。
以上のテクニックを駆使することで、Excel上のデータを効率的にクリーンアップし、より正確で使いやすいデータセットを作成することができます。TRIM関数とCLEAN関数は、一見シンプルな関数ですが、その応用範囲は広く、データ処理の効率を大幅に向上させる強力なツールとなります。
